人間は滅びるでしょうか?--プロメテウスのお話--
ギリシャ神話にプロメテウスという神様がいます。
ご存じの方もいると思いますが、かいつまんで言うと人類に火をもたらし
それ故にゼウスの怒りを買ってひどい罰を受けた神様です*(後の解説をどうぞ)
私は長い間このエピソードを読むたびにプロメテウスに同情して
人間にとっては恩人、悪いことをしたわけでもないのにここまでむごい罰を与えるなんてゼウスの方が理不尽だと思っていました。
でも最近になって考えが少し変わりました。
人間は火を持つことによって他の動物たちに優越し、文明を発達させてきました。
そして火薬を発明し武器を作り、次第に武力は肉弾戦ではなく火力の勝負になり
そして……ついに原子力にたどり着いてしまいました。
爆弾は言うまでもなく、平和利用というはずの原子力発電でもあのような事故が起き
明らかに原子力エネルギーは人類を破滅させるのに充分な怖ろしい力です。
その元はひとつの小さな火だった。
それさえなければ今でも人間は木の棒や石で他の動物を倒し、力は弱いが少し智恵のある動物として地球の片隅で暮らしていたかもしれない。
地球全体を汚染させたり、地球環境を破壊する事もなかったでしょう。
でも今や人間は地球を滅ぼしかねない勢いです。
ゼウスは怒っているにちがいない。
こう考えてくると,人間に火を与えたというのは確かに重い罪です。
ゼウスはやはり正しかったのかもしれないと思うようになりました。
しかし大昔のギリシャ人は原子力も知らないはずなのにどうしてこのような話を作ったのか不思議です。
未来を見通す目をもった人がいたのか、実際に神が語った話だったのでしょうか?
(*解説:wikipediaより)ゼウスはさらに人類から火を取り上げたが、プロメーテウスはヘーパイストスの作業場の炉の中にトウシンソウを入れて点火し、それを地上に持って来て人類に「火」を渡した。火を使えるようになった人類は、そこから生まれる文明をも手に入れることになった。
その行いに怒ったゼウスは、権力の神クラトスと暴力の神ビアーに命じてプロメーテウスをカウカソス山の山頂に張り付けにさせ、生きながらにして毎日肝臓をハゲタカについばまれる責め苦を強いた。プロメーテウスは不死であるため、彼の肝臓は夜中に再生し、のちにヘーラクレースにより解放されるまで半永久的な拷問が行われていた。
テーマ:文学・小説│ジャンル:小説・文学
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│2012/05/19(土)20:04